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音響装置「noon by material record」を発表

material record(マテリアルレコード)は、乃村工藝社グループが進める素材=地球資源をテーマとしたR&Dプロジェクト。大量の資源を消費する建築・内装業界において、素材を起点に様々なサステナブルな研究・開発を行っています。

 

第一弾プロダクトとなる「noon by material record(以下、noon)」は、建築廃材、海岸に漂着したプラスチック片、デニム端材、ロケット開発で役目を終えた燃料タンクなど、サステナブル・マテリアルを活用してスピーカーを制作し、音響体験を通して素材の新しい価値観を生み出すことにチャレンジしています。

 

今回発表する同プロジェクトにとって初めてのプロダクトは建築物を思わせるような柱を意匠として施し、計9種のマテリアルを組み込んだ、帯域の異なる6つのスピーカー、真空管アンプなどの積層から成り立ちます。固有のストーリーや記憶を内包した筐体から発する音が素材の特性を反映することで、素材のむこうにある風景、資源に目を向けるきっかけをつくります。

「noon」を構成する様々なサステナブル・マテリアル

海洋ごみや廃棄プラスチックを活用した再生素材
様々な産業から出る廃棄物や、海岸に漂着した海洋ゴミなどを粉砕し板状に固めた複合樹脂素材。フィルムカメラの現像後に出る容器を粉砕したものや薬品・菓子類のパッケージから出る廃棄包材、海洋プラスチックごみ等を再生しています。使用する素材の色や粒子のサイズによって、二つとない表情を持つ板が生まれます。

100%食品廃棄物を原材料とした自然由来の新素材
規格外野菜や⾷品廃棄物を加⼯して作られた新素材。食品廃棄の課題解決に寄与する素材で、100%自然由来のため使用後は土に還ります。また素材が持つ香りが残るのが特徴です。

デニム端材をアップサイクルした左官材
国内のデニム工場から排出される端材を粉砕し、左官材へアップサイクルされたマテリアル。接着剤を使用せずに製作が可能で、水を含ませ剥がせば再利用可能という特性を持つ循環型素材です。

<その他の使用マテリアル>

  • コルクとウールの廃棄物からつくられたフェルトのような生地 
  • 再生材のアルミハニカムパネル
  • 再資源化した人工砂を主原料としたセラミックス造形材
  • 埼玉県南西部で間伐された未利用木材
  • スリランカで採掘された天然石の複合板
  • 数十年掛けて生成される緑青を6時間で生成させた銅板

小山田 創

デザイナー

プログラミングを使ったコンピュテーショナルデザインを得意とし、企画展示、VRコンテンツ、展望施設など、空間デザインとメディアコンテンツを織り交ぜた空間体験づくりに取り組む。

山田 大地

アカウント/プロデューサー

ラグジュアリーブランドをメインクライアントに、造作・美術だけでなく、運営・演出など全体プロデュースにまで業務領域の拡大に貢献。スクラップ&ビルドの業界に課題意識と責任を持ちながら、素材や環境に自然と意識が向くような体験づくりに取り組んでいきます。

原 直瑠

アカウント

ノムラメディアス所属。大学では金工を専攻し、ものづくりの知識が強みであるディレクターを志す。商業施設の季節装飾から地域の芸術祭など幅広い案件を担当。短期使用である装飾の在り方を考え、素材に目を向けてもらう活動に取り組みます。

後藤 慶久

サステナブルマテリアル・マイスター

クライアントであった欧米のファッションメゾンが2020年あたりから、環境配慮を先進的に進めていた影響で空間の環境分野について深くかかわり始める。素材メーカーとの商品開発、環境起点のプロジェクト開発、社内外での啓蒙セミナーなどに従事し、空間創造事業におけるサステナブル・デザインを実装するために活動を続けている。

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