空間デザインがもっている独自の価値とはなにか？ それらをどのように紐解き、後世へ繋いでいくか？

建築やデザインには、それぞれ独特な思考体系を持っている。そこには多くの知性が凝縮されている。 その知性はモノそのものにも宿っているが、本や論文など、メディアを通じての蓄積も多大になされている。 空間デザインは、たとえば展示会では、その存在が数日で失われる分野である。 しかし同時に、時には建築がもつひとつの敷地の中という制約を乗り越え、横断したデザインを行うことが可能な分野でもある。 あるいは、あらゆるメディアを空間の中に挿入し計画する、総合格闘技的な側面も備えている。 抽象化して捉えると、ハードウェアとしての骨格（スケルトン）と、そこでのソフトウェア（具体的な体験・運営）の両面をつなぎ、橋渡しする存在である。 であるならば、そこには建築やデザインなどの分野とは違った、その分野に備わる“独自の価値”が根付いているのではないか？ その“独自の価値”をあぶり出し、社会へ還元し、後世へ繋いでいくことを考えたい。

1.インプット：空間デザインの価値やユニークネス（優位性・競争性）の研究 →ヒアリングやインタビューなどを加味したリサーチ 2.アウトプット：研究して得られた成果の発表や共有 →講義・レクチャー形式にする？体系化して発表したい →アウトプットの方式は割となんでもいい、おそらく得られた情報をもとに どのようなパッケージングで伝えるとふさわしいのか、という順序で考える

キーワードは「巨人の肩の上に立つ』　我々はどこから来て、今どこにいるのかを知ることで、それによって先人たちの長大な蓄積を、今のクリエイティブのパワーへと変えていくことができる。すなわち軸を作ることである。自らに軸がなくてクリエイションができるのだろうか？”優秀なクリエイターは、自らの分野の優秀な歴史家である”ことは間違いない。空間デザインの分野が培ってきた豊穣な歴史をひもとき、クリエイティブのパワーへと変えていく