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未来創研について

未来創造研究所は、2021年にスタートした「ソーシャルグッド」をコンセプトとする活動や、Team M、NOMLABなど既存のR&D活動を取り込みながら、発展的に現在の形となりました。前所長と部員と共に、“こういう組織を会社の中でスタートさせる”という第1フェーズを試行錯誤しながら進め、2025年にはCreative Lab. という活動拠点を本社に設けて、活動をパワーアップさせています。
 次のステップとして、この組織が社内に浸透し、いつか乃村工藝社の大切な文化になることを目指して、2026年度から所長を引き継いだ山口茜(兼、女将)です。

今更ながら、未来創造研究所(以下、未来研)について少し書いてみたいと思います。


筋トレの場としての未来研

私は入社以来25年以上、空間デザインのデザイナーとして仕事をしてきました。クライアントから依頼を受け、与件や納期をしっかり意識しながら全力で考え、世の中に送り出していく。私たちはそうやって、人のためのフィジカルな空間をつくり続けてきました。
乃村工藝社の仕事は、ある意味、毎回ほとんどが初めての相手と臨む公式戦です。それがとても刺激的で、面白く、一度も飽きたことがありません。

でも一方で、近い未来に起こりうる価値観の変化や技術の進歩を見据えたアイデアや、誰もやったことはないけれど、きっと価値があるだろうということ、ずっと欲しかったけれど世の中にないものを、創って試してみたいという思いもありました。けれど、日々の仕事の中ではその時間がなかなか取れない。新しい技術の検証も然りです。

だからこそ、「こんな体験があったら面白いかも」「こうなったら、もっといいのに」。そんな一人ひとりの感性から生まれる小さな着想を、ちゃんと拾い上げ、本気でつくってみる。そして、試して、失敗して、時には科学的に検証しながら、「面白い」だけではなく「これは使えそうかも」と言えるところまで育ててみる。さらに、社内での検証を経て、社会での実証へつなげていく。
未来創造研究所は、そんな“練習試合”や“筋トレ”ができる場所にしたいと思って創ってきました。

個々のPASSIONとおせっかい

未来研では、一人ひとりの着想、つまり個人のPASSIONを大切にしており、それぞれのプロジェクトに<パッションリーダー>が存在しています。誰かに頼まれたからではなく、内発的に溢れる「どうしてもやってみたい」という衝動は、モノゴトを動かす強いエネルギーになります。特にR&Dという、自分で自分に火をつけなければ前に進まない活動なら尚のこと。部員から早朝に熱い企画書が送られてくることもあり、思わず「落ち着け、落ち着け、」と笑ってしまうこともあります。それくらいが丁度いい。もちろん、それだけで走るわけにはいかず、このPASSIONを会社のミッションに接続させるのは、私たちマネジメントの役割だと思っています。

そしてもうひとつ、未来研では相互の「おせっかい」も大事にしています。部署や職種、社内外の境界を越えて、人のアイデアに首を突っ込み、巻き込み、巻き込まれながら、一人では辿り着けないところまで高め合う。R&Dは、そんな関係の中から育つものだと思っています。
今年、新たに、ベテラン社員が築いてきた暗黙知や知見を“おせっかい”的に投下してもらう“アドバイザリーユニット”という組織を作ったのも、そのためです。


灯台下は暗い?明るい?

少し話は変わりますが、コロナを経てオンライン化が進み、私たちは社外の有識者の知見に触れる機会をより手軽に得られるようになりました。でも、外に目を向けることと同時に、自社内の宝物をもっと大事にしたほうが良い、とも強く思うようになりました。宝物とは、会社や個々の社員が保有している経験や技術、思想や哲学、想像力と創造力、そしてネットワークです。
これも私見ですが、自社の宝物をちゃんと知らないまま、外との協業をすること自体が目的になっているケースを見ると、勿体ないな、と思います。これを私は勝手に「灯台下暗し症候群」と称しています(笑)。

そんな思いもあり、未来研は全社横断組織という立場をしっかりと活用し、乃村工藝社の宝物をなるべく広く知り、つないでいく、会社のための“宝箱”のような組織でもありたいと思っています。既存の社内リソースも、R&Dで生まれた少し未来の社会に向けたアイデアも、しっかり吟味し磨いておく。そして乃村工藝社の社員が困ったときや新しいことを考えたいときに、「とりあえず未来研に行ってみよう」と思ってもらえる。そんなふうに、灯台下を少し明るくする役割になれたら嬉しいです。 ― もちろん、社外からのお悩み持ち込みも是非(笑)

意識は高く。とはいえ、まだまだ理想に追いついていないこともあります。それでも、この先の未来においても、より多彩により多くの人に歓びと感動を提供し続けるために、乃村工藝社の未来創造研究所は、常に試行錯誤し、変化し続ける組織として活動していきます。

未来創造研究所
山口 茜
 

山口茜

所長/デザインディレクター 

さまざまな企業や団体のメッセージを伝えるための空間デザインや体験コンテンツのディレクションを行ってきました。
様々な人や企業の「得意技」をつなぎ合わせて新しい表現や体験、面白いプロジェクトを興すことが楽しい。
興味テーマは、現象、教育、認知症、防災、宇宙、生物多様性、、、 好奇心が強すぎて忙しいです。

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